第8章 実録、あの世ライフ
あぁ、そんな出来事、あったかもしれない
その後周囲にメッチャ怒られたけど。
あの出来事の時に傍に鬼灯様がいたなんて。
「だから貴方の顔には見覚えがあったんです。それ程強烈でした」
「ちょっと恥ずかしいんですけど」
「・・・だから貴方を地獄でお救いした時から、見知った貴方の境遇が痛々しくて見ていられませんでした。最初は同情だったのですが。白澤さんに預けた夜、心配で眠れませんでした。
考えているうちに、今度は自分の気持ちが抑えきれなくなってしまいました。」
そう言い、再び唇を重ねる。
胸の鼓動が、密着した鬼灯様に伝わっているだろうと思うくらいに高鳴る。
恥ずかしさと高ぶりで、これ以上鬼灯様の顔を見ていられなくて目を閉じた
割って入ってきた舌が私の舌を這う。
私はそれを受け入れ、鬼灯様に委ねる。
何度も貪るような甘い口付け
どちらの物ともつかない縺れた舌から滴る唾液。
順番を間違えた恋はここから始まった。