第8章 実録、あの世ライフ
「じゃあ、時間も勿体ないし早速あの世ライフ、いってみようか?天国には、現世にも伝わってる有名なスポットが沢山あるよ!」
「その前に貴方は私の依頼した物を早く納品してください。これじゃあ仕事になりません。出来上がるまでの間、どんな所に行きたいか相談しましょう」
「くっそこの野郎。ここは僕の家だぞ」
ぎゃあぎゃあと喚く白澤様を無視して鬼灯様はプランを立て始めた。
時折私の好みや趣味、趣向を伺ってくる。
「大体は決まりましたが、槐さんが楽しんでいただく事柄は内緒の方が楽しいと思うのですが、どうでしょう?」
「何かミステリーツアーみたいですね。ちょっとどきどきします」
「ヒトが責め苦を受けているような場所はなるべく避けましょう」
「その方が有り難いです」
「さて、じゃあまだ薬は出来上がりそうにないですね。気分転換に散歩でも行きませんか。割とすぐ近くに養老の滝があるんです。そこは良い眺めですよ。天国絶景100選にもエントリーされてます」
「ココも100選に入ってるっつーの!」
白澤様の声を無視し、立ち上がる鬼灯様。
「行きましょうか」
さりげない仕草でサッと肩を抱かれた。