第2章 最悪な目覚め
「あれ、鬼灯様?どうしてここへ?」
素っ頓狂な声を上げ、先ほどの鬼は金棒を地面へ落とす。
びくびくしながら私は小さく目を開け、様子を伺った。
「待ってください、この少女はおそらく亡者ではありません」
そう言いながらゆっくり近づいてくる姿があった。
黒い着物に黒い髪、そして白い肌。
鬼灯様と呼ばれは黒着物と鬼は尚も話し込む。
「え、亡者じゃない?どういう事なんですか?」
「実は、現世で事故がありまして、その際に紛れてきてしまったようなんです。詳しいことは閻魔庁での調査が必要ですが。
それにしても危ない所でした。間に合わなければ彼女、今のこの場で亡者になる所でした。そして貴方も。一歩間違えば烏天狗警察の厄介になる所でした。生者業務上過失致死傷罪で。」