第8章 実録、あの世ライフ
昨日はかなり疲れていたみたい。
誂えてもらった部屋で寝巻に着替え、布団に入ってからの記憶がまるでない。
とりあえす顔を洗おうと洗面所へ向かう。
そこでばったり同じく起き抜けの白澤様と鉢合わせしてしまった。
白澤様は、睡眠不足なのか、目の下に色濃くクマを拵えてい
る。
なんとなく、気まずい。
昨日は偉そうにあんな事言っておいて、私の方が普通の顔をしていられない。
それは白澤様も同じようで。
「お、おはよ、槐ちゃん」
やっぱりぎこちない。
「お、おはようございます白澤様」
ほらやっぱり私もぎこちない。
この空気をよそに、救いの声が台所の方から聞こえてきた。
「あ、二人ともようやく起きたんですね。もうご飯出来てるから、早く顔洗って下さいね」
桃は神聖な力が宿ってるっていうけど、マジなのかもしれない。