第7章 錆びた桃園は偶蹄目の夢を見るか
正直僕は動揺している
もちろん、自分自身に。
護ると決めた以上は、手を出さないようにって、思ってたのに
思ってたのに。
あの赤い跡を見ていたら、ジェラシー?っていうの?
なんか面白くない感情が溢れてきて
僕で上書きしたいと思ってしまった。
こんな気分は初めてで、
僕は今自分の布団の中で、顔を出せずにいる。
なんかこう・・・モヤッとする。モヤッと。
槐ちゃんはああ言ってくれたけども、僕は明日どんな顔で彼女の前に出ればいいんだろう
いつもなら嫌な事があっても、
花街で飲んで騒いでいい感じで忘れちゃうのに
そんな気分にもなれない。
くそっ、ちゃんと謝ればよかった。今から行こうかな・・・
いや、そんな事したら警戒されちゃう。
僕は槐ちゃんをしっかり護れるんだろうか?
主に僕自身から。
あーーーーー駄目、もう・・・寝よ