第3章 大きな朽ちた木の下で
通された部屋は雑多としていて、
書籍や置物、薬物の瓶やよくわからない物がそこかしこに置いてあった。
壁にかけてある衣文賭けに、今彼が来ている物と同じ着物がかかっている事から、彼の部屋だという事が伺えた。
「とりあえずこちらが浴室なので、汚れを落として下さい。
あ、タオルはここにおいておきますから。
脱いだ物は・・・後で洗うとして。着替えは今お持ちしますので、お湯を浴びていて下さい」
そういうと鬼灯様は浴室のカーテンを閉め、着替えを取りにどこかへ行ってしまった。
テキパキと指示をする鬼灯様はなんだか、
お母さんみたいだ。
服を脱ぎシャワーを浴びながら独りごちるとふと心に引っかかるものが。
お母さん・・・?
そうえば私・・・お父さんとお母さんと一緒に行こうとしてたんだっけ。
あれ?どこに??
あれ???お父さんとお母さんはどこ???
記憶と疑問符が頭の中でぐるぐるする。