第3章 大きな朽ちた木の下で
「仮の名前、ですか。」
そうは言われても急には思いつかない。
「では私が貴方に名前をつけても宜しいでしょうか?」
「お願いします」
「では・・・生者。」
「それは名前なんですか?そもそも生者ってバレちゃまずいんじゃ」
「不満ですか。では・・・ナマモノ」
「読み方変えてもイヤですよ」
「貴方意外と我満ですね。では・・・貴方と最初に会った時、傍に朽ちた木がありましたね。
そこで鬼である私に出会ったという事で、『槐』という名でどうでしょうか。」
「えんじゅ、ですか。いいですね、それ!」
この時私はまだ知らなかった。
この名前を巡って、赤黒色と乳白色の乱痴気騒動に巻き込まれる事を。
--------キリトリ-------------
「まぁ、私実は貴方の名前知ってるんですが」
「なんで!?」
「職業上。」