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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第21章 探偵、美術館へ行く/沖矢、コナン


「すっげー!!」

ホームズ展の公開初日。
私はコナンくんと昴さんと東都美術館にいた。あの日渡した3枚のチケットがそれぞれの手には握られている。

本当はあの3枚はコナンくんと蘭ちゃん、毛利探偵の分のつもりだった。
しかしあの日、コナンくんから3人で行かないかと誘われたのだ。

「どうせ行くならシャーロキアンと一緒に行きたいんだ!蘭姉ちゃんとおじさんはホームズ詳しくないし…ね?3人で行こう?」
昴さんと私の分のチケットはまた貰ってくればよかったのだが、そんな上目遣いでお願いされれば断れるはずもない。



「普段はすごく落ち着いてるから本当に小学生かと疑っていたけど、あんなにはしゃいでるところを見ると年相応ですね。」
早く早く、と急かすコナンくんの背中を見ながら昴さんに話しかけた。

「僕には、あなたも十分はしゃいでいるように見えますが。」
「あ、バレました?でも昴さんも楽しみにしていたでしょう?声がいつもより明るいですもん。」
「ほーそれは素晴らしい観察眼ですね。」
ふふふ、と2人で笑い合う。

「ねーえ?次僕達の番だよ!ほら2人ともチケット出して!」
裾を引っ張られて下を向くと少しむくれたようなコナンくんと目が合った。
ごめんごめん、と頭を撫でるとふいとそっぽを向かれてしまった。





順路に沿って館内を見て回る。
通路にはロンドンの石畳を再現したと思われる柄のカーペット敷かれていた。
当時のポスターや街の写真の展示を過ぎて、国内の有名な漫画家が描いたホームズのイラストを見ている時だった。
コナンくんが突然左のポケットを押さえる。
どうしたの?と声をかけようとすると
「僕ちょっとトイレ!」
そう言って来た道を戻るように駆け出した。
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