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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第19章 健康診断/少年探偵団


体育館から教室に戻る途中、職員室の前を通りかかると中から出てくる1人の女性が見えた。

「お、噂をすれば、だぜ。」

一緒に歩いていた3人も気づいたようで、その女性に駆け寄って行く。

「あーさくらお姉さんだ!」
「なんだ、給食食べに来たのか?」
「違いますよ元太くん、午後からの健康診断ですよね?」
「さすが光彦くん!今日の健康診断の担当医が風邪ひいちゃって。」
和かに談笑する3人を尻目に、灰原は険しい顔で俺の服の裾をぐっと握り締めた。

「…私、体調不良で早退するわ。」
彼女と顔を合わせる前に、と灰原は踵を返そうとするが残念ながらそれは叶わなかった。
「哀ちゃんも久しぶり!コナンくんはこの間会ったばかりだけどね。」
こちらを見てひらひらと手を振る彼女につられて手を振り返す。隣に立つ灰原の顔がさらに引きつった。



「「「いただきまーす」」」
みんな大好き給食の時間。授業は退屈で仕方がないのだが、この時間だけは小学生に戻れてよかったと思っていたというのに。

「オメーの言いてーことはよく分かるぜ。」
不機嫌さを隠そうともしない灰原の視線の先には先程廊下で出会ったさくらさんの姿がある。
このクラスの生徒達とすっかり馴染んで一緒に給食を食べている。

なぜさくらさんがここにいるかというと、保健室で昼食を食べてから健康診断の準備をするのだとあの3人に言ったところ、半ば強引に教室に連れてこられたのだ。そしてたまたま欠席だった子の机で食べることを小林先生に了承させ今に至る。
灰原にしてみれば、組織の人間かもしれない彼女が近くにいるというのは気が気でないのだろう。
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