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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第17章 勘違い事件簿/安室


やや肌寒くなって来た通りを3人並んで歩く。
安室さんが車で乗せてくれると言ったのだが、歩いてすぐだからと断った。

「ところで、そのストーカーのこともう少し聞かせてもらえませんか?」
「部屋の中の物が移動していたりっていう典型的な物が多いんですけど…あと彼が言うには必ず水曜日なんだそうです。そのストーカーが来るの。」
「毎週絶対水曜日なの?」

意外にもコナンくんの方が話に食いついて来た。

「そう、律儀なストーカーだよね。あと彼が水曜日休みで家にいる日は来ないらしいんだ。」
「…ふうん。変わってるね!」
「彼、”俺がいるときに来れば捕まえてやるのに!”って意気込んでたんだけどね。」
「でもそのストーカー、もしかしたらいい人かもしれないね!」
「どうして?」
「だってさ、ポストの中身をお部屋の中に入れておいてくれたり、おかずを作ってくれたりしてるんでしょ?いい人だと思わない?」
「ああなるほどねー。」

そういう考え方もあるのか、と納得したところで彼のマンションに到着した。
エントランスを通るときにちらりとポストに目をやったが、中に物が入っている様子はない。

「ポストの中、何も入ってないみたいでしたね。」
「そのストーカー、もう来た後だったかな?」
「まだお部屋の中にいたりしてね!」



扉の前で預かった鍵を左に回す。…が、回らない。

「どうしよう、本当に中にいるかも…。鍵、開いてるみたい。」

小さな声でそう告げると、2人は顔を見合わせて同じようにニヤリと笑った。

「大丈夫だと思うよ。入ってみたら?」
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