第15章 コナンくんと灰原さん
※主人公出てきません
(コナンくんと灰原さん)
パソコンの明かりだけが灯る部屋で、灰原はコナンへ電話をかけた。
『もしもし?あんだよ、こんな夜中に…。』
どうやら彼は寝ていたらしい。数コールの後やや眠そうな声が電話口から聞こえた。
「さくらさんの事なんだけど。」
『え?』
「彼女、私の…宮野志保の写真を見たことがあるって言っていたわ。運良く私の姉だと思ったみたいだけど。名字が違うのは結婚したからだと勘違いしたみたい。」
『おい、それって…』
「私の写真は組織の関係者しか持っていないはず。だからきっと彼女も…。」
『……。』
コナンは先日彼女をマンションまで送った時のことを思い出していた。
マンションに駐まっていたジンの車…まさか本当にさくらさんは黒の組織なのか?
『そういやオメー前に組織の人間は匂いで分かるって言ってたよな?さくらさんは何か感じなかったのか?』
「分からない。今日のお祭りの時何度か組織の気配みたいなものは感じていたけど、それが彼女からかは分からない。」
『そうか…。』
コナンはマンションの件を灰原に伝えることは止めた。
無駄な心配をかける必要はないだろう。
「それより、もし彼女が組織の人間だとしたら貴方ヤバイわよ。」
『!』
「やっと思い出した?この間工藤邸に入れたでしょ?そこで”新一兄ちゃんは留守”って言ったじゃない。それが組織に伝わったら貴方を死に物狂いで探しに来るわよ。貴方の身内も、危なくなるかもね。まずはあそこに住んでいる昴さんからかしら…。」