第14章 お祭り/ベルモット
カラフルなヨーヨーを弾きながらベルモットは鼻歌を歌う。
子供達はそばの縁石に腰掛けて焼きそばやたこ焼きを頬張っている。
目の前を神輿が賑やかに通って行く。
「お祭り楽しんでるみたいで何より。」
「ああ、童心に帰れる感じでいいな。…っと。」
するとベルモットの携帯が鳴ったようだ。
少し離れたところで数言会話をするとこちらへ戻ってくる。
「悪い、急用出来ちまった。俺ここで失礼するわ。」
「えーー?!次は射的一緒に行こうと思ってたのによー!」
「仕方ねーだろ?鈴本さんだって忙しいんだからさ。」
「そうですよ元太くん。それに僕達もそろそろ帰らないと。」
見るからに残念がる元太くんをみんなで慰める。
今度一緒にキャンプ行こうぜ!と半ば無理矢理約束させられて、ベルモットは帰って行った。
あんなに子供達に好かれるとは意外だったな。
もう帰るという子供達と一緒に帰路に着く。
「俺ん家はこっち!」
「僕はこっちです。」
「歩美はこっちー!」
十字路に差し掛かったところでそれぞれの家の方に別れる。
「じゃーな、気をつけて帰れよ!」
「また学校でね。」
「またねー!」
私は方向が同じだった灰原さんと並んで歩く。