第14章 お祭り/ベルモット
「ひ、庇護さん?」
数秒固まった後に灰原さんはそう口を開いた。
どうしてここに、と唇が動く。
「ああ、よく言われるよ。そんなに俺似てるかなー?」
「よく似てますよ!目元なんかそっくりです!」
「ビッグのユニフォーム着たら見分けつかねーんじゃねーの?」
でも俺はサッカーより野球派かなー、と言うベルモットのあまりの白々しさに思わず苦笑した。
歩美ちゃんの、一緒にお祭りまわろうよ!という提案にみんなで並んで歩く。
「ね、灰原さんは何でちょっと離れてるの?私嫌われちゃった?」
1人少し離れたところを歩く彼女が気になって、コナン君に声をかけた。
「あー…いつもあんな感じだから気にしなくていいと思うよ。あと、鈴本さんだっけ?彼が気になってるみたい。庇護さんのファンなんだ。」
納得する。私だって突然好きな人に似た人が現れたらきっと距離を取ってしまうだろう。
前を歩くベルモットと3人の子供たちはヨーヨーすくいの前で立ち止まっていた。
ベルモット、意外に子供好きなのだろうか。