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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第1章 人助けのつもりが/ジン



あれから3日。
さくらとジンの奇妙な同居生活は続いていた。
というのも、「1週間は絶対安静!この家から出ないで下さい!必要な物があれば私が買ってきますから。」とさくらに凄い剣幕で迫られたからだ。


リビングのソファに並んで腰掛け、本を片手にジンは煙草をさくらはコーヒーカップを傾ける。
幸いなことにさくらは幅広いジャンルの本を所有しており、退屈で時間を持て余すのではといったジンの心配は杞憂に終わった。

「おい、これの続きはあるか。」

何度この台詞を口にしたことだろう。
どうやらさくらとは本の好みが合うらしい。手にする本全てが面白く、思わぬ収穫だと自然と口角が上がる。

「残念ですがそれがシリーズの最新巻です。この作者の前作ならありますけど」

そう言ってさくらは本棚から数冊を抜き取り、目の前のテーブルに乗せた。

ジンはこの空気感をいつの間にか心地良いと感じ始めている自分に驚いていた。
さくらはただの一般人だ。普段ならすぐに殺してとっととこんなマンションから出て行くところなのだが。





「包帯、変えますね」
夕食後に患部の消毒も兼ねて包帯を交換するのも、もはや日課になっていた。

「大分塞がってきたみたいですね。1週間は安静に…と思いましたが、もう少しくらいなら動いても大丈夫そうです。」
「そうか」

そろそろ潮時だろうか。
自分でも体力が戻ってきたのは感じていた。
意識が戻ってから3日。さくらによると丸2日眠っていたらしいから計5日か。むしろ留まりすぎたくらいだ。
携帯を手に取りメールの作成画面を開いた。
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