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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第12章 新事実/ジン


2人がいなくなって静かになった家で、彼らの置いていった書類を手に取った。

薬の成分表、動物実験の結果、各研究員による考察等。
非常に興味深い資料が多く、時間忘れてつい読み耽っていた。
しかし、とある見出しのところでページを捲る手が止まる。

”使用者リスト”

彼らが毒薬だと言っていたことを考えると、殺された人のリストということで間違いないのだろう。
1度深呼吸をして気持ちを落ち着けると、震える手でページを捲った。

リストには日本人のみならず、外国人であろう名前もちらほら見える。
どうせみんな知らない人だろうと思ったが、見覚えのある名前で目が止まった。

「工藤、新一?これ”新一兄ちゃん”だよね?同性同名…じゃ、ないよね…」

名前の横には”死亡”と、間違いなく書いてある。
コナンくんは、新一兄ちゃんは留守にしていると言っていたが、周囲の大人の優しさで彼には知らされていたのでないだけではないか。

資料を茶封筒に戻す。今日はこれ以上読む気分にはなれそうにない。
気持ちを落ち着けようとベランダに出る。
ジンの忘れていったマッチで煙草に火を点けた。
藍色の空に一筋の紫煙が昇る。

「今度コナンくんに会ったらどんな顔したらいいんだろ…。」
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