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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第40章 いつか、また


(いつか、また)

黒の組織の摘発から一カ月。
組織のボスの正体を暴くことには成功したものの、結局APTX4869の解毒剤は手に入らず仕舞い。研究施設にあったはずの資料も全て警察に押収されてしまった。
頼みの綱のさくらさんは連日のように警察で事情聴取されているという。解毒剤の作成に割く時間はまだ無いだろう。
結果、俺は未だに江戸川コナンとして以前と変わらぬ生活を続けていた。



「ただいま!博士の家行って来る!」
「おい待て、コナン!お前に手紙が来てたぞ。そこのテーブルの上の白い封筒。」

ランドセルをソファに投げ捨てて遊びに出ようとした俺の背におっちゃんから声がかかった。
スポーツ新聞やビールの空き缶で溢れかえったテーブルの上。その端に乱雑に積まれた手紙の山の一番上にそれはあった。
江戸川コナン様、と綺麗な文字で入ってはいるものの住所もなければ切手すら貼られていないそれ。
首を傾げつつも手に取って裏返してみる。
今時珍しい蝋の封印の右下にはgimletと流れるような字体が見えた。

「おじさん、これいつ届いたの?!」
「ん?俺がさっき煙草を買って来た帰りに見つけたから…そう時間は経ってないんじゃねえか?」
「ありがとう!」
何か言いかけたおっちゃんを尻目に、それをズボンのポケットにねじ込むと階段を駆け下りてスケボーに飛び乗った。
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