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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第37章 デジャビュ?/ジン,ベルモット


ジンの愛車で連れて来られたのは三ツ星ホテルの1つ。
有名な女優が結婚式を挙げただとか、ハリウッドスターの誰某が泊まったとか、必ずと言っていいほど話題になるところだ。
「私、こんな高級ホテルに入ったの初めて。」
「意外だな、医者ってのはよく来てるもんだと思ってたぜ。」
「一部の人はね。私みたいな下っ端には夢のまた夢。」



ロビーに入ってすぐ、案内板に書かれた文字を何気なく読んだ私は我が目を疑った。

「ねえ、小説家ってあの工藤優作なの!?」

うるさい、とでも言いたげなジンの視線には気付かないふりをする。
あの扉の向こうに憧れの工藤先生がいるのだ。
ジンが受付をしているその時間さえ惜しく、脇をすり抜けると会場となっている部屋に足を踏み入れた。

学校の体育館を彷彿とさせるほどの広さの会場には俳優やスポーツ選手、映画監督や歌手など様々な著名人が顔を揃えている。
「あまりキョロキョロしてると怪しまれるぞ。堂々としていろ。」
受付を終えたのだろう、ジンは会場の入口で足を動かせなくなっていた私の肩を軽く叩く。行くぞ、とでも言うかのように。
怪しまれるも何も私には後ろ暗いところなんてないのだけど、と何気なく会場の前方に設置してある演壇の方へ視線を向けると見知った3人と目が合った。
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