第28章 コナンくんと赤井さん
「なるほど、毒薬の解毒剤をね。」
コナンは自身の身に起こったことは隠して、組織が殺害後に成分が検出されない毒薬を開発したこと。そしてさくらさんがその解毒剤の研究をしていることをかいつまんで説明した。
赤井は最後まで黙って頷いた後、それは被害者が増える前に完成させてもらわないと困るな、と呟いた。
「でもさくらさんが銃を扱えるってことは知らなかったよ。ただのお医者さんだと思っていたから。」
「俺も驚いたよ。射程の短いハンドガンでスコープを撃ち抜くなんて、やろうと思って出来るものじゃない。」
「そもそもジョディ先生から銃を奪うなんてね。不意をつかれたとはいえ相当武術に長けているみたいだ。」
「ああ、あれは軍事護身術といって、米陸軍が採用している格闘術だ。柔道やムエタイ、ボクシングのいいとこ取りをしたようなものだな。一体どこで習ったのか…。」
うーん、とコナンは顎に手を当てた。
「今度会ったらそれとなく聞いてみるよ。」
「無茶だけはするなよ。」
「大丈夫、さくらさんとは友達だからさ。」
窓の外はいつしか見慣れた景色に変わっていた。