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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第27章 FBIとの攻防/黒の組織


「あいつらがどう動いてくるかは分からねぇが、身辺には気を配っておけ。念のためホテル住まいを勧める。…まあ無理強いはしねぇがな。」
「ボスからはしばらく連絡も取らないようにしろと言われたわ。緊急以外はお互いに連絡しないことにしましょう。」

行け、とジンが扉を顎でしゃくるとキャンティとコルンは傍に置いたライフルケースを掴んで出て行った。
キールもその後に続く。
出て行く直前、何か知ってる?という視線を送られたので僅かに首を振っておいた。つまりは彼女も今回のことは知らなかったのだろう。

その3人を見送って、僕も帰ろうかと踵を返した時。
ちょっと待て、とジンに引き止められた。

「ギムレットの事なんだが。」
その名前に足を止める。
「そういえば今日彼女は呼んでないんですね。」
彼女も一応コードネームを持っている。今回持ち出されたというリストにも名前が載っているはずだ。

「呼んでないわ。彼女は私達と少し性質が違うから。」
確かにそうだ、彼女は前線に出るようなタイプではない。組織の事も深くは知らないのだろうから、ここに呼ばれたところで困惑するだけだろう。

「テメェはギムレットを尾けろ。恐らくFBIが狙ってくるとしたら俺か、一番新入りのあいつだ。」
確かにそれは一理ある。
しかしさくらさんはこの組織の事をほとんど何も知らないように思えた。
ジンとベルモットが意図的に教えていないのかもしれないが。

「もしギムレットがFBIに捕まったとしてもこちらの情報は漏れないのでは?」
少しだけ探りを入れようと、彼女を特別扱いするのは何故です?と付け足す。
しかしその言葉を言い終わる前に、鈍い金属音がしてジンの愛銃がこちらを向いていた。

「あいつがいなくなるとまた薬の研究が滞る、ただそれだけだ。これ以上余計なこと言うようならこのままここでテメェの脳味噌ぶち撒けたって構わねぇんだぜ。」
ピンと張り詰めた空気に、それは困りますと肩を竦めてみせた。
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