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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第26章 温泉旅行/安室


軽く頭を下げると仲居さんは静かに戸を閉めて去って行った。
部屋には私と安室さんが残される。

「そんなところに立ってないで座ったらどうですか?お茶、美味しいですよ。」

先ほどのロビーでの一件もあり、2人きりとなると何となく気恥ずかしい。
部屋の入口で立ち尽くしていると、お茶を淹れてくれたらしい安室さんが座布団を勧めてくれた。
礼を言って素直に腰を下ろす。

「夕食は7時からですよね、まだ時間ありますし外に出て温泉街を歩きますか?それとも一度お風呂行きます?」
「うーん、まず温泉入りたいですね。ちょっと疲れちゃって…ってすみません、助手席に座ってただけで疲れたとか言って。」
「いえ、長時間座っているだけでも疲れますからね。それじゃあ先に大浴場に行きましょうか。」

小さく欠伸をするとつられたように安室さんもぐっと伸びをした。




◻︎





「いいお湯でしたね。」
「本当!朝は男湯と女湯が入れ替わるみたいですから、早起きして朝も行かないと。」

大浴場には私の他に3人しかおらず、貸切のような解放感を味わうことができた。


部屋へ戻るためのエレベーターを待っている時、それにしても、と安室さんに話しかけた。
「浴衣似合いますね。普段のお洋服も素敵ですけど…かっこいい人は何着ても似合うって本当ですね。」
湯上りで僅かに上気した肌にちらりと覗くうなじが色っぽい。
「褒めても何も出ませんよ。」
安室さんの笑顔につられて私も微笑んだ。
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