第5章 [黒子のバスケ]リア充なのは…★火神大我★
「じゃぁ素直に言ってみたらどうですか?」
「素直に?ケンカしようって?」
いやいや、そんな事言われてケンカするとか小学生でも無いでしょ…
「違いますよ。今さんがボクに相談している事を素直に伝えるんです」
「ええー!そんな事言ったら重いとかウザイとか思われちゃ…」
「結局それが君の本音ですよ」
そう言って飲み干したシェイクのゴミを持って立ち上がった
「ごちそうさまでした。面白い話が聞けて良かったです、そろそろ火神くんが迎えに来ると思うのでボクは帰りますね」
「え?!ちょっとまだ話終わってないんだけど!?ってか迎えって?」
「ここに来る時に呼んでおきました」
「う、嘘?!!!」
私が動揺してるのを横目に、黒子くんは“じゃぁまた明日学校で”と言いながら店を出て行った…
えっと───まだ解決してないんだけど…
って言うか黒子くんは何が言いたかったんだろ?
『結局それが君の本音ですよ』
私のホンネ?
『重いとかウザイとか思われちゃう』
のは嫌だ。
む、難しい…
「…い!おい!」
「うわぁ!!」
「うわぁ!じゃねぇ、ったくお前こんな時間に何してんだよ」
「それはその…」
いやーさすがにこの状況で、都合の良い言い訳なんて思いつかない
「相談にね、のってもらってたんだけど…。っ、とりあえず座る?」
「バカか、帰るぞ。送ってくから」
そう言って差し出された手
包容力のある雰囲気を振りまいてやってきた大我…
結局“ケンカしたい”とか言って、
怒らせる事が出来ない自分と、
ワガママをワガママだと思わない彼だから
ケンカしたくても出来ない───
になってるだけなのかな
友達の言ってた『爆発しろ』も、あながち間違いではないのかも
そう気が付くと、
黒子くんは私からの呼び出しの連絡が来た時点で、『爆発しろ』なんて思ってたかも知れない…
「私恥ずかしい事相談してたかも」
店を出た私は、少し先を歩く背中に向けてそう言った
「あ~?どんな恥ずかしい事言ったんだよ」