第4章 [黒子のバスケ]不器用な指先*°★緑間真太郎★
校門で待っていると、2人が何やら会話をしながら向かって来る
「真ちゃん間違っても襲ったりすんなよー」
「高尾!ふざけた事を言うのも大概にしろ!」
「ブハッ!ったくおもしれぇなー。じゃ、また明日な~♪」
高尾のやつ
わざわざ気まずくなる様な事言ってから立ち去るなんて、明日絶対シバいてやる
「待ったか?」
「ううん、全然!待ってる間もすっごい楽しかったし」
「…?」
理解出来てないなこれは。
「好きな人を待つなんて、こんな贅沢な事無いよって意味!」
「そうなのか。なら良いのだよ」
「うん♪じゃ、駅までだけど一緒に帰ろっか」
そうして私と緑間君は駅までの道を歩き始めた
駅までのほんの少しの時間────
何か話さなきゃとは思うのに、どうしても言葉が出てこない。
だって…駅までなんて短すぎて、もっと一緒に居たくなっちゃったから
けど、そんな事付き合ったばっかで言えないし…
ぐるぐるとそんな事を考えていると
「はどうして、その…俺みたいな男を…もっと高尾みたいな奴の方が似合っていると思うのだが」
「え?何言って…」
嫌だ。誤解されちゃう
「ちょっと待って!ダメ!それ以上は喋らない!!」
「な、なんなのだよ。突然大きな声を出すな」
私は歩くのを止め、彼のカバンを引っ張った
「少しだけ寄り道♪」
「寄り道だと?!こんな遅い時間に、しかも下校途中で寄り道など……」
「お願い!ちょっとだけだから」
少し強引だけど、私は確信した。
この人にはちゃんと言葉で伝えなきゃダメだって…
薄暗い公園のブランコに腰掛ける
緑間君は少し不満そうに私の目の前に立っている
誰も居ない公園。
私と緑間君の存在だけが空気を揺らす
「ねぇ、何でさっきあんな事言ったの?まるで私が緑間君を好きだって言った事否定するみたいな…」
「否定はしていないのだよ。ただお前は俺と居る時にあまり笑わない。だから少し……」
「少し?」
眼鏡をかけ直してる手が邪魔で、今の彼の表情がよく見えない
「少し不安になっただけなのだよ」
え…?それって…どうゆう事?
「ちょっとまって、えっと…え?」
そんなに良くない頭で一生懸命考える