第4章 [黒子のバスケ]不器用な指先*°★緑間真太郎★
私の軽い拒絶には慣れてるのか、嫌がる私の顔を覗き込む
まるで『で、どうなのよ』と言わんばかりの表情をしながら…
「言わないからね。」
「え~!何でよ、もったいぶんなって」
「てか、何で知ってるのさ」
私がそう言うと、高尾は突然立ち止まり
「“今日はお前とは帰れないのだよ”」
「はい?なにそれ緑間君の真似?」
「いやいや真ちゃんてばいきなり顔真っ赤にして、んな事言うもんだからさ……ブハッ!!駄目だ、思い出してもまだ笑えてくる…」
口を押さえて必死に笑いを堪えてるんだろうけど
全然堪えられてない
むしろ笑いすぎ…
「だからさ、ほら俺ってば勘が鋭い方でしょ?そんな真ちゃん見たらすぐ分かっちゃったんだよね~」
「なにそれ…」
ちょっと所かすごい嬉しいんですけど
「うわうわ…お前もそんな顔すんだな」
「な!ちょっとそれどうゆう意味っ────」
少しムキになって、高尾をシバいてやろうと思った時
「おい、高尾。いつまで……」
「わぉ!いい所に王子様登場じゃん!ラッキー♪」
『あっ』
見事に私と緑間君の声が重なる
「ブハッッ!!ちょ、ダメもう見てらんない!俺先に体育館戻ってっから!」
ゲラゲラと笑いながら、足早に立ち去る高尾
「相変わらず仲が良いのだな、お前達は」
「いやいや普通だよ!ほら、高尾って私以外にもあんなんだし…」
「それもそうだな」
そう言うと彼はすぐ体育館の方へと向き直り、手に持ったドリンクを飲むと、『入り口に座って待っていろ』そう言って体育館へと戻って行った
その背中はとても広く、汗で少し濡れた髪の毛はちょっとだけ私をドキドキさせた