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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第6章 昇る竜


「智さん…智さん…?」

目が覚めたら、真っ暗な部屋に相葉が居た。

「どうしたんですか…酷くうなされていましたよ?」
「相葉…車出せ」
「え?どこへ…」
「草彅のヤサ」

ベッドから降りると、シルクのパジャマの上にガウンを羽織った。

「さっさとしろ」
「智さん…」
「いいからさっさとしろっ!」

枕元の棚から、レンコンを取り出した。
弾が入っているか確認してポケットに仕舞う。
相葉がそれを見ているから腹を蹴った。

「グフっ…」
「早くしねえかっ…」
「は、はいっ…今っ…」

汗が止まらない。
ぽたぽたとガウンに落ちる。
手が震える。

頭の中で矢崎が笑ってる。
勝手に射精してる。
腹の中が汚いものだらけだ。

相葉が戻ってくるのが待てなくて、玄関に出る。
若衆が俺の靴を慌てて出して、引き戸を開いた。
外に出ると、門の前に車が止まった。
乗り込むとタバコを忘れたことに気づいた。

「相葉、ヤニ寄越せ」

相葉が無言でタバコとライターを寄越した。
一本、火をつけると我慢できなくなった。
腕のパジャマを捲り上げると、火を押し付けた。

「うっ…」
「智さんっ!?」
「いいからっ…運転してろやっ…」

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