第6章 昇る竜
ベッドに身を横たえると、疲れが一気に襲ってきた。
少し頭が痛い。
目を閉じると、矢崎の怯えた目が思い出された。
似てなくてよかった…
似てたらぶっ殺すとこだった。
…もう忘れたつもりだったけどな…
今、他の組と余計な抗争は避けたかった。
大体、鉛玉を一発事務所にぶっこんで手打ちにはなるが、中には千葉の組みたいにしつこいやつもいるからな…
下っ端とはいえ、構成員を殺したらなにが起こるかわからない。
「ああ…疲れた…」
寝室のドアがそっと開けられた。
「智さん…」
「なんだ…相葉か」
相葉はベッドの側まで来ると俺に布団をかけた。
「眠れそうですか?」
「子供じゃねえんだから、いちいちくんなよ…」
「良かった…」
そっと相葉の手が頭に置かれた。
「眠るまでここに居ますから…」
「ばーか…」
相葉は優しく微笑むと、部屋の灯りを落とした。
全く…子供扱いし過ぎなんだよ…
「智…足開けよ…」
やだ…やめて
「かわいいねえ…智…ほら、見ろよ。ここ、どんどん俺のを飲み込んでくぞ…」
みたくない…やめて
「ほら…お前も気持ちいいんだろ?そんな声だして…」
ちがう…ちがうちがう
「誰にも言うなよ…言ったら、ここからお前を引き裂くよ?」
やだ…やだ…こわい
「智の肉、食べたら旨いだろうな…ココと一緒で」
ころす…ころす…ころす…ころす…
ころしてやる…