第6章 昇る竜
「わかってる。だが、話はちっと複雑だ。矢崎の息子にチャカ流した奴が居る。そいつが俺に使うと知ってそれを流したのか…それを突き止めるまでは、喜多川として動けない」
「確かに…ニュースでみたあのチャカ、改造銃とかじゃなかったですからね…」
「二宮にはそれを調査させてた」
「じゃあ二宮が撃たれたのは…矢崎のバックに居るやつですかね」
「それはわからん…今、草彅と城島が病院に向かってる」
「わかりました…」
「矢崎の息子のガラ(身柄)は草彅が押さえてる」
「…だからこの前から…」
「ああ…俺も知らなかった」
「ほんと…あの人は抜目のない…」
「まあな、俺は城島には調べるのやめろとは言ったが、草彅には言ってねえからな…」
ぷっと松本が噴き出した。
「やられましたね…総長」
「どいつもこいつも…」
頭を掻くと、相葉も笑った。
「とりあえず、通夜と本葬は…きっちりこなすぞ」
「先程の挨拶、立派でした」
「ありがとよ…」
「総長…」
「あんだよ」
「ほんとに総長になっちゃったんですね…」
「だよなあ…」
鼻をほじりたい気分だ。
なんだって俺が…
親父め…冥土で待ってやがれ。