第6章 昇る竜
喜多川の家の周りに警官が集まり始めた。
別にドンパチやるつもりはねえが、やはりこれだけヤクザ者が集まるわけだから、警戒しないといけないわけだ。
そんななか、黒塗りの車がどんどん集まってくる。
極東翼竜会はもちろん、古くから親父と付き合いのある組の連中が集まってくる。
しかも総長や組長クラスが来る。
俺の座っている部屋は、その控室になる。
どんどん客人が集まってきて、俺に頭を下げている。
俺の総長就任には納得してない連中もいるから、相葉と松本は片時も傍を離れなくなった。
そのうち、長瀬も戻ってきて俺の周りを固める。
小杉も戻ってきた。
東山と近藤の兄貴は俺よりも顔が広いから、客人の相手をしている。
松岡、山口の兄貴は受付の方にいて目を光らせてる。
国分の兄貴は広間の入り口で挨拶をしている。
自然と、俺を取り囲むシフトのようなものが敷かれている。
草彅の姿が見えない。
「おい、草彅どこ行った」
「さあ…さっき電話してくると言ってましたが…」
相葉が言うと、松本が黙って立ちあがった。
「いい。探さなくて…」
そう言うとまた不満気な顔をして座った。
「まあそう怒るなや…」
そういうと、長瀬がぶっと噴き出した。