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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第6章 昇る竜


「じゃあ誰だっていうんです…」
「さあな…」

二宮はあれからずっと矢崎の息子を追っている。
夜には帰ってくるが、昼間ほとんど居ない。
今日くらい来いと言ったのだが、まだ来ていないようだ。

「松本は?」
「今、下足番してます」
「なにしてんだ…ここに呼べ」
「はい」

本当にあいつらは幹部の自覚がない…
相葉が座敷を出て行くと、入れ替わりで草彅の叔父貴が入ってきた。

「総長」
「叔父貴」
「もう叔父貴はやめてくださいよ…」
「ああ…えっと…草彅?」
「ふ…それでお願いします」

なんだか照れくさくてほっぺたを掻いた。

「総長、報告がある」
「なんだ?」
「矢崎…」

思わず顔を上げた。
周りを見渡して、誰も居ないことを確認すると草彅の顔を見た。

「なんで…」
「すいません。気になったもんで、あの後調べました…」

そうだった…この人はこういう人だった…

「で…どうした?」

ため息をつきながら聞くと、草彅は頭を下げた。

「捕まえました」

ちらりと顔を上げると、緊迫した顔をしていた。

「…なにか吐かせたのか?」
「ええ…」
「わかった。後で聞かせろ」

ここでは言いにくそうだったので、そう言うとほっとした顔をした。

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