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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第5章 臥竜


車に乗り込むと、二宮は俺を振り返った。

「今日、泊まってもいいですか…?」
「…来ないつもりだったのか?」
「いえ…嬉しいです…」

すぐに車を発進させた。
シートに身を預けると、窓の外を眺めた。
久しぶりにあの夢を見た。
身体がだるい。
汗の染みたシャツが、べっとり背中に貼り付いてる。

暫くぼけっと窓の外を眺めていた。
家の近くの信号で停止すると、車の前に急に男が走り出てきた。

「組長!伏せて下さいっ!」

二宮の怒声が響いた途端、フロントガラスに亀裂が走った。
銃声が辺りに響く。
二発目の銃声の後、フロントガラスが粉々に砕けた。

俺は伏せることもせず割れたガラスの穴から男を眺めた。
男はガタガタ震えながら俺に銃を向けていた。

「てめえ!ちゃんと狙いやがれ!」

そう叫ぶと男は後ろに下がっていく。

「早く撃てや!」
「組長っ!だめですっ!」

二宮が後部座席に身を乗り出してくる。
ぐいっと頭を押して、二宮を伏せさせた。

「ひっこんでろ」
「組長っ!」

外を見ると、まだ男は震えながらこちらに銃を向けている。

「タマ取りに来たんだろうが!男上げろや!」

そう叫ぶと、男は銃を放り出して奇妙な叫び声を上げながら逃げ出した。

「ちっ…とんだ鉄砲玉だな…」

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