第22章 folder.6
当初の予定では、シャブと赤坂が資金を使い込んでいるのをネタに脅しを掛ける予定だったが…
二宮の母親がこんな早い段階で絡んでくるとは思っていなかったから、これは使えると思った。
何も言わなくても、ボンも同じだったみたいで。
俺達の思惑は一致した。
「教団ナンバー2と経理部長の道ならぬ恋…応援して差し上げようじゃねえか…」
「くくく…松本の斡旋してるロシア女はどうなんだよ…」
「今、そっちに夢中ですがねぇ…」
「今日も赤坂はそっちなんだろ?」
「ええ…いそいそと俺に教義を授けるんだって言い訳して、ロシア女を囲ってるマンションに行きましたよ…」
「くくっ…それでいい」
突然二宮が頭を下げた。
「…ありがとうございますっ…」
ソファに座ったままの姿勢で、膝に頭を埋め込むように頭を下げた。
「…なんのことだよ…な?翔」
「ええ…なんで礼なんか言ってんだよ。二宮…」
「そうだぞお…」
「バカだなあ…」
さっきボンがぐしゃぐしゃにした髪を更に全員でぐしゃぐしゃにしてやった。
加藤は目を白黒させてそれを見てる。
「そのかわり…おまえ、お使い様の担当になれや」
「そうだ。松本と一緒にばあさんの面倒みてやれ」