第22章 folder.6
”お使い様”には別ルートで松本と二宮が近づいて、ネタを掴む。
概ね、シャブのことで脅しを掛けて行くことになりそうだが、もう少し身辺を嗅ぎ回る必要がありそうだ。
俺とボンと相葉でナンバー2の赤坂と経理部長の二宮和子を的に掛ける。
当面、このチームで動くことになった。
「ふふ…マネーゲームより面白そうですね…」
「加藤もやるか?」
「…俺は裏方に向いてるんで…」
「ふっ…」
ボンは笑って加藤を見た。
「じゃあ、おまえにもチーム作ってやろうか?」
「えっ?」
「そうだな…あと、2、3人…雇ってみるか…翔も手一杯になってきたから、そっちはそっちで動いて貰わないとな…」
「い、いいんですかっ?」
加藤が勢い込んで立ち上がった。
「それなら、心当たりが居ます。俺っ…やってみたいことが…」
「わかった。翔と話しろよ。いいな?」
「はいっ…」
ちらっとボンは俺を見ると、笑った。
「翔、どうとでもしてみろよ。そっちはおまえに任せるから」
「わかりました…やってみます」
前から、加藤には会社をやらせてみようと思ってた。
それはボンに言ってあったけど、こんなに早く進むとは思ってなかった。
「ここまで時間を掛けたんだ…じっくりやってやろうじゃねえか…な?」
全員、ボンの顔を見て頷いた。
とても…あんな過去を背負ってる人には見えなかった。