第22章 folder.6
「この人は、教団の経理部長ですから…ある程度任せてあります。大まかなことは私と話してもらいますが、細かいことはこの二宮と話していってもらえますか」
「わかりました。この二宮さんとはいつ…」
「いつでも。教団本部におりますから。話は通してありますし、彼女は外出しないのでね」
「わかりました。それでは、商品のご説明を…」
赤坂とはそれから一時間ほど打ち合わせをした。
とりあえずの所、500万ほどの金を動かすことにした。
本人はもっと出してもいいと言っていたが、まずはということで500万からスタートだ。
元本保証のある商品はリターンが少ないので、これからはもっと思い切った投資をするということになり、またこれからじっくりとやっていく。
そういう話になってこの場はお開きになった。
「では櫻井さん、よろしく」
「わかりました。では、何かありましたらご連絡を…」
「ああ…松本くん、行こうか」
「はい…」
松本はちらりと二宮の顔を見て、赤坂について帰っていった。
「…これ、おまえの母親か?」
テーブルに置いてあった名刺を指で突くと、二宮は頷いた。
「ええ…」
「そっか…」
ボンは、そんな俺をじっと見ている。