第22章 folder.6
次の日、赤坂にアポを取ると、すぐに会いたいという。
スーツを着せた二宮とボン、それから俺はすぐに四谷の喫茶店に向かった。
赤坂は今日も松本を連れていた。
ボンは短くした髪をサラリーマン風に整えてついてきた。
今日は喜多川で会合がある組長についていくって話だったのに…
昨日の俺の様子がおかしかったから、無理にスケジュールを変えた。
「櫻井さん、わざわざすいません」
赤坂は前回よりもフランクに俺たちを迎えた。
「遅くなりまして…こちらは私の部下の大野です。今日は配当金をお持ちしました」
「え?もう?」
「ええ…お買上げ頂いた商品は短期型のものでして…大野」
「はい」
ボンに持たせていたアタッシュケースから現金を封筒に入れて出した。
「すいません。本来なら銀行振込でお渡しするものなので、今回は特例ということで…」
「ああ…それでいいから…」
赤坂はボンの手から封筒をひったくると、中身を見てニヤリと笑った。
「随分増えましたね…たった一ヶ月なのに…」
「ええ…元本保証のついた商品の中では、一番リスクが少なくリターンが多いものを選びましたので…」
松本が赤坂の腕に手をかけた。
「ね。赤坂さん、僕の言った通りだったでしょう?」