第22章 folder.6
そのまま二宮に連絡を取ったら、電話に出ない。
「何やってんだあいつ…」
矢崎の叔父貴の調査結果はまだ上がってきてない。
あいつ自身も大野の家に顔を見せることも少なくなっていたから、進捗状況を聞くこともできずに居た。
妙な胸騒ぎがしないでもない。
何かがあるとして、でもそこから先突き止めて一体俺はどうしたいんだろう。
智が言わないものを…俺が知ってどうするんだ…
暫く部屋で考え込んでいたら、電話が鳴った。
すぐに出ると二宮だった。
今から出てこれないかという。
ボンに断って街に出た。
街は秋の気配に満ちていて、夜は少し肌寒いくらいだ。
指定された店に行くと、個室に通された。
「随分豪勢じゃねえか」
「あ…すんません…わざわざ」
二宮が立ち上がってペコリと頭を下げた。
店員に酒を頼むと、沈黙が落ちた。
「…なんだよ?話って…」
「いえ…」
店員が酒を運んできて俺達の前に置いた。
二宮は黙ってジョッキを手に取ると、俺に断りもなく飲み干した。
「お、おいっ…何してんだ!」
こいつは酒が強くないから、無茶な飲み方しないのに…
「すんません…こうでもしないと話できない…」
「え…?」