第22章 folder.6
頑なに俺を見ようとしない。
その背中は俺を拒絶してるようで…
「おいっ…」
振りほどかれた腕を掴み直して引き寄せると、立ち上がらせた。
「俺の顔を見ろ。智」
「嫌だ…」
また腕を振りほどいてアトリエを出て行く。
「待てよっ…」
エプロンを取りながら、どんどん廊下を歩いて行く。
「ついてくんなっ」
「おいっ…」
無理やり肩を掴んで俺の部屋に引きずり込んだ。
ベッドに押し倒すと、暴れる智の上に馬乗りになった。
「嫌だってばっ…離せっ…」
「何があった。言え」
口を引き結んで、俺の顔を見ようとしない。
顔を横に向けたまま、黙り込んだ。
…まだ、だめなのか…
まだおまえは…
「…翔…?」
動きの止まってしまった俺を見上げる目は怯えていた。
なんでそんな目をする。
なんでおまえは…
全部俺に預けない
「…もういい…」
「翔…」
「いけよ」
智の上からどくと、今度は縋り付いてきた。
「ごめん…ごめん、翔…」
「もういい…俺じゃ言えないんだろ?」
「違う…ごめん…」
「じゃあなんだよ…」
「…ごめん…」
こうやって智のこと責めてる俺も…
智にはまだ全部言えてない。
なのになぜ俺は許せないんだろう
なんで俺は…