• テキストサイズ

翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第22章 folder.6


「櫻井さん!こっちです」

松本が立ち上がった。
隣に座るのが、ナンバー2の赤坂って奴だろう。

同じく立ち上がると、ニッコリと笑った。

…おお…外人みたいな顔してんな…

「どうも。おまたせいたしました。私、松本の従兄弟で投資コンサルタントをやっております櫻井と申します。こちらは部下の二宮」

懐から名刺入れを出して差し出すと、赤坂は微笑んでそれを受け取った。
赤坂も懐から名刺入れを出してきた。

「私、赤坂と申します。どうぞよろしく…」

名刺には名前と連絡先しか書いてなかった。
真の心の名前を出したくない時に使う名刺なんだろう。
こいつは他にもいろいろやってるに違いないな…
二宮と目を合わせると、コクリと頷いた。

席についてコーヒーを頼むと、こちらから話を切り出した。

「松本からお話は伺っています。投資にご興味がお有りだとか?」
「ええ…今、運用に回せる資金があるものですから…それを眠らせておくのも勿体無いと思っていましてね…」

鷹揚に頷く赤坂は、まるで自分の金のように言っているが、それは信者から巻き上げたお布施のことだ。

「なるほど…資金は潤沢にお持ちのようだ…」
「いえいえ…まずは試しにと思ってね…」

/ 541ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp