第22章 folder.6
真の心の教義は、真神に認められるよう善く生きるというものだ。
真神はよく人の性質を見極め、善人を守護し罪人を罰するという。
その真神のご機嫌を損ねないように、お使い様のお言葉を通じて修行をするというものだ。
「虐待してたのがバレて、住んでらんなくなったから逃げただけじゃねえか…」
ぶつぶつ言ってる二宮の頭を、ボンがくしゃっと撫でて松本を見た。
「で?教祖様にお近づきになれたんだって?」
「はい…」
ちょっと松本の機嫌が悪い。
「なんだその顔は」
「いえ…別に…」
ぶーっと相葉が噴き出した。
「こいつの顔がお気に入りなんですって…お使い様…」
「ぶふうっ…」
噴き出した二宮を睨みつける松本は、顔を赤くしている。
「ああ…お使い様って女だったなあ…」
ボンが真の心のパンフレットを見ながらニヤニヤしている。
「おまえ、スケコマシのが儲かるんじゃねえの?潤」
相葉が松本の背中をバンバン叩いてる。
「す、スケコマシってなんだよ!?」
「は?」
どうやら、今時の若者にはスケコマシって言葉には馴染みがないらしい。
「おまえ…ヤクザなら覚えとけ…ヤクザの三大収入の一つだろうが…」