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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第21章 folder.5


新幹部も一緒に手をついて頭を下げると、場内は拍手で包まれた。
最後に手締めを行い、盃式は終了した。

その後、喜多川から大野へ祝いの宴会が開かれた。

盃式を終えた座敷がそのまま宴会場に変わる。

大野の者だけでなく、喜多川の本家の人間も入り混じって宴会の準備が始まる。

俺たちは一旦控えにしていた座敷に捌けて、一斉に紋付きを脱いだ。

「うえー…ふんどしが食い込んでら…」

他の幹部たちももそもそと着替えている。
着付けるときと違って、脱ぐだけだから手伝いも居なかった。

俺の隣でボンがぼんやりと着物を脱ぎ散らかしていた。

「ボン?」
「…ん?」
「大丈夫ですか?」
「ああ…」

なんだか元気がなかった。

スーツに着替えたらなんだか安心した。
とは言っても、スーツも着慣れてるわけじゃないんだけど…
洋服と言うだけで、股がスースーしないから安心するものだ。

ふと見るとボンはまだ着替え終わっていない。
黙って隣に座り込んで、脱ぎ散らかした着物を畳みながら様子を見た。

ぼーっとして、どこか遠いところを見たままボンは魂が抜けたみたいになっていた。

「ボン…?」
「えっ?」
「どうしたんですか?」

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