第21章 folder.5
「でもっ…俺みたいなやつがボンの側に居たら…」
「俺はなあ…おまえよりも汚れてるよ?」
「え…?」
「だから、キニスンナ」
そのまま立ち上がると、ボンは母屋に入っていった。
二宮は地面に手を付いたまま、呆然としている。
「翔さん…」
「んだよ」
「俺、ここに居てもいいんでしょうか…?」
ごちんと二宮の頭にゲンコをくれてやった。
「おめえ耳は聞こえてんのか?この頭は飾りか?」
「いってぇ…」
「ボンがいいって言ってんだよ。それ以外の答えなんか、ねえんだよ」
ぐりぐりと二宮の頭を撫でると、立ち上がった。
「罰として庭掃除な。それで終わりだ」
「へ…?」
大野の庭は広い。
こんなとこ、一人で掃除したら一日じゃ終わらないだろう。
「…捨てちまえ…」
「え?」
「ガキの頃のお前なんて…捨てちまえ」
そのまま母屋に戻った。
「は…」
母屋に入ると笑えた。
「てめえでできもしないこと…よく人に言えるよ…」
ボンの部屋に行くと、ベッドの上でボンは丸まっていた。
「寒かったでしょう。コーヒーでも持ってきましょうか?」
「うん…」
ぎゅっと一回抱きしめると、台所にコーヒーを淹れに行った。