• テキストサイズ

翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第21章 folder.5


「そういえば…相葉や松本は、どうして大野組に来ることになったんです?」

これから部下になる奴らのことは、ある程度把握しておきたかったのもあるが、深く考えないで聞いた。

途端にボンの顔が少し強張った。

「…ボン…?」
「ああ…翔には、話しておいたほうがいいかもな…」



それから、相葉と松本の過去をボンは語りだした。

長い、長い話だった…

「そんなことが…」
「ああ…」

ボンが松本に強く出られなかった理由がわかった。

「…驚きました…」
「だろうな。翔には俄には信じらんない話だろうがな…こんな話、腐るほど転がってるんだ…」
「いや、話には聞いたことくらいはありましたけど…まさか…相葉なんて普段そういう影がちっとも見えないし…」
「…雅紀は、だから強いやつなんだよ…大野組に来た頃なんて…喋ることすらできなかったのにな」
「え…?」
「失語症ってやつ…?精神的ショックを受けて、喋れなくなってたんだよ」

思わず口に手を当てて黙り込んだ。

「だけどあいつは立ち直ったんだ…強いやつだと思うよ…」

普段の相葉は…いつもにこにこ笑って、ときどきどもったりもするけど、明るいやつだった。

/ 541ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp