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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第21章 folder.5


なんでこんなにも俺は頼りない
智が安心して全部喋れる…頼れるような男にならないと…

「もう寝よう…?智…」
「翔…今日は側にいて…」
「うん…ずっと居るから…ここに居るから…」

この人の抱えてる闇は…俺の闇よりもでかいのかもしれない。

だけど今の俺ではどうすることもできなかった。
肝心の智が、俺に頼らないのだから。


…もっと強い男にならないと


智が全部預けても尚、立っていられる男に


そして、智のエゴを全部ぶつけられるくらいの男に…


「翔さん…ちょっと…」

ペーパーカンパニーの事務所は、相変わらず電話が鳴りまくっている。
今、でかいサッカーの大会が日本で開催されている。
その掛け金の電話がひっきりなしに掛かってくるのだ。

「なんだ?」
「ちょっと外、出ませんか?」

松本が小さな声で言ってくるから、頷いて事務所を出た。

「どうかしたのか?」
「いやあの…二宮のことで…」
「あ?あいつ最近姿みえねえな?」
「あの例の電話でやる詐欺…」
「オレオレ詐欺?」
「ええ…それの的に掛ける宗教団体の探り入れてるらしいんですが、なんか酷く荒れてるんですよね…」

松本と二宮は年が同じだ。
だからこそ感じるものがあるんだろう。

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