第20章 folder.4
「あげないからっ…もう、翔しかいないからっ…」
「あああああっ…智っ…イクぞっ…」
「翔っ…」
「智っ…愛してるっ…」
ありったけを智の中に出した。
「う…あぁ…」
また俺の手に智の熱が掛かると、智は床に崩れ落ちた。
「智…」
「翔…愛してるよ…」
腕の中で微笑みながら、智は気を失った。
やっとそこで、俺は落ち着いて…
智を抱えて風呂に入ると、ベッドに智を寝かせる。
布団をかけて滾々と眠る顔を眺めたら、サブルームのエキストラベッドのシーツをくしゃくしゃにして…
そのままリビングルームでビールを取ると、ベッドルームに戻る。
「翔…?」
「ああ…気が付いた?」
そっとベッド際に腰かけると、智が手を伸ばしてくる。
「ごめん…また気絶しちゃった…?」
「うん」
「身体…洗ってくれたの?重かったでしょ…」
「大丈夫だって…鍛えてるんだし」
ふふっと智は微笑んだ。
「そうだね…こんなに腕、太くなって…」
俺の上腕二頭筋を、バスローブ越しに嬉しそうに撫でる。
「翔って凄いね」
「え?」
「なんでも一生懸命やって…努力して自分のものにしていくんだ…」
「そんなの誰でもやってることだろ?」