第19章 folder.3
襲撃してきた奴らの、身元引受が来て事務所はやっと一段落付いた。
やれ出入りだといきり立っていた叔父貴や兄貴たちはてんでにヤサに帰っていった。
若衆が残って事務所の片付けをしていると、ボンと城島さんが事務所に戻ってきた。
「おう。おつかれ。腹減ったろ。食え」
そう言って、牛丼をしこたま買い込んできてた。
晩飯も食い損ねていたから助かった。
それをかっこむと、急いで窓ガラスの応急処置をして、その日はやっと解散になった。
「おまえら、明日は午後からでいいからな」
城島さんがそう声を掛けていた。
「城島、お前も…」
「はい、ボン。あ、櫻井、お前ようやったなあ」
「えっ…」
「お前が気ぃまわして俺に連絡せんかったら、ちょっとややこしなってたかもな…」
「そうだな…よく、関西ってわかったよな…」
相葉の兄貴まで俺を褒めるから、なんか居たたまれなかった。
「そんなこと…」
「俺もあのまんま窓辺に立ってたら危なかったし…ありがとな」
咄嗟に身体が動いただけで、なんにも考えてなかった。
「大したことしてないっす!これ、捨ててきます!」
慌てて事務所を出てゴミを外に出した。
ここに来て褒められるなんて思ってなかったから、心臓がうるさかった。