第19章 folder.3
松重とは大野組が懇意にしている所轄の刑事だった。
とりあえず、襲撃してきたやつらの目的がわからなかったから、リンチにかけることになった。
松重には鼻薬を効かせて、大事にしないよう頼み込んでいた。
俺は城島さんに連絡を取って、事務所が襲撃されたことを伝えた。
独断でやったことだが、後々これが功を奏した。
相手は関西系、多分城島さんがこの前仲裁に行った、四国の組と関係してるだろうと思ったのが当たっていたからだ。
すっとんで帰ってきた城島さんのお陰で、話はすぐに決着した。
襲撃してきた組の上の奴に話がついて、そいつらはすぐに解放することになった。
俺が殴りつけたやつは病院送りになったが、それは不問に付された。
城島さんの行った裁定が不服で、若い奴らがわざわざ遠征しにきたってことだった。
跳ねっ返りのやったことだから、あっちの組にどう処分が下るかわからないが、こっちはとばっちりだったので、処分はなかった。
城島さんはひたすら申し訳ないと謝っていたが、組長はお前はなにも間違ったことはしちゃいないと、寛大だったがそれは後日の話。
結局、騒動はその日の深夜には決着がついてしまった。