• テキストサイズ

翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第19章 folder.3


ある日、事務所は本家で盃事があるから人手がいなかった。
俺はボンについて事務所に来て、電話番をしていた。
組長がいないときは、ボンが事務所で留守を預かる習慣になっていたからだ。

相葉の兄貴と俺で暇ぶっこいていたら、表が騒がしくなった。
その日は水曜日で、下の不動産屋は休みだった。

「なんだあ?」

相葉の兄貴が窓に近寄った。

「やべ…出入りかもしれない…」
「えっ…」

その瞬間、窓ガラスが割られて何かが事務所に飛び込んできた。
咄嗟に相葉の兄貴を庇って、窓から身体を突き飛ばした。

「なんだ!?」

長部屋からボンが出てきたところで、もう一度窓ガラスからなにか飛び込んできた。

「ボン!出入りだ!」

叫んだ瞬間、窓から飛び込んできたものから煙が出てきた。
腕で口と鼻を覆いながらそれに近づいて、割れた窓からそれを投げ出した。

「ボン!部屋に!」

そう言ってボンを部屋に突き飛ばして、事務所の出口に向かった。
事務所の奥で屯してた叔父貴たちもいきり立って出口に殺到した。

今日は組長が出世するらしく、大野の幹部はみな出払っていた。
それを狙っての襲撃だったのか、相手の人数も極少数だった。

/ 541ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp