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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第19章 folder.3


途中から、草彅の叔父貴と慎吾兄にも手を貸してもらって、賭博の範囲をどんどん広げていった。
ボクシングからプロ野球、あと国際Aマッチに日本代表が出るスポーツ、なんでも扱うようになった。

でもボクシングジムでは、あくまでもボクシングだけしていたけど。
スパーリングなんかやってると、人を殴るってことがこわくなって。
だって俺の拳一つで、気絶したりする。

でもそこを乗り越えていくと、どんどん強くなることが快感になってきて…

でも現実世界では発散できないから、だいぶ俺はボクシングにのめり込んでいった。
人と競い合うことは、今まで勉強でしかしてこなかったから…
こういう世界があるのが、新鮮だった。

賭博の方も、軌道に乗ってゲーム感覚で駒を動かして。
金融の裏取引にも精通してくるようになると、だんだん手を広げたくなってくる。

草彅の叔父貴が、ここはちっと我慢しろやと抑えてくれなかったら、際限なかっただろう。
そのくらい、おもしろかった。
自分で汗を流すことなく、金が入ってくることが快感だった。

でも…
やっぱり俺は、なにか足りなかった。
ボンの傍にずっと居られるだけのなにかが、俺には足りてなかったんだ。

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