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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第19章 folder.3


はっきりとはわからないけど…

ボンも闇を抱えてる。
そして、逃れたがってる。

まだ俺には何も言ってくれない。
それはきっと、俺がこの世界にいるべき人間じゃないと思ってるからだと思う。

どうしたら…

俺はもうこの世界で、ボンの隣で生きていこうと決めている。
絶対にこの人から、生涯離れることはないと…
そう決めているのに。

ボンは俺にこの世界の汚い部分は徹底的にみせないようにしてる。
まだ光の当たる世界に戻せると思ってる。

それは愛ゆえか…


この手が、血に塗れればそんなこと思わなくなる?


ボンと身体を重ねる度、そんな思いに支配されていく。
受け入れてほしいのに、ギリギリのところでいつも躱されてる。
そんな気分が抜けない。

それが自分の甘さからなのか、それともボンの愛情なのか…
俺には判断できなかった。

経済ヤクザとしての地盤は固まってきてる。
なのに、大野組での俺の立場は相変わらずちょっと変わった新入りから評価は変わっていない。

愛してるのに…

このままだと、また引き離されてしまう。

じりじりと焦りが背中に張り付いていくようだった。


それでも愛したい
欲しい
埋まっていたい

人生で、ここまで強く人に惹かれるのは初めてだった

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