第19章 folder.3
大野の家に特別に作った部屋。
ここにはインターネット回線を引いて、パソコンを5台設置してある。
世界中の市場を常に監視してる。
それと同時に、インサイダー取引にも手を染めて、情報を売買しながら資金を増やしていた。
今日は、俺が叔父貴に教わって一番の稼ぎを出した。
学校の勉強より面白かった。
部屋を出ると、ボンを探した。
ボンはアトリエに居た。
最近、組長の帰りが遅いから、ボンはよくアトリエに篭っている。
組長はあまりボンが絵を書くことにいい顔をしない。
だからボンは組長の居ない隙を狙って絵を描くしかないのだ。
「ボン…」
ドアをノックして扉を開けると、中は薄暗い。
「あれ…?」
ボンは窓際のテーブルに突っ伏して眠っていた。
「ボン…?」
夕方だというのに、カーテンをもう締め切ってる。
エアコンも付けてないから、じんわりと暑い。
「智…?」
先月…
俺達は、結ばれた。
思えば、俺達は出会った頃から惹かれ合ってたのかもしれない。
俺はこの人から離れたくないって思ったし、智も俺のこと傍においておきたいって思ってくれたって…
そう言ってくれた
こんな気持になるのは…久しぶりだった