第18章 folder.2
その夜は眠れなかった。
なんで相葉の兄貴もボンもあんなこと言うんだろう。
俺はもうここしか居場所がないのに…
なにか足りないんだろうか…
ヤクザって…極道って、一体なんだろう…
どうしたら、ボンの傍に居られるんだろう。
なんにも答えがでないまんま、深夜になってしまった。
喉が乾いて、キッチンに向かった。
冷蔵庫を開けて、水を飲んでいるとボンが入ってきた。
「なにやってんだ?櫻井」
「あ…眠れなくて…」
「そっか」
ボンも冷蔵庫を開けると水を取り出した。
暫く無言で二人で水を飲んだ。
「あの…ボン…」
「んー?」
「俺、堅気には戻りません」
「…いいのか…?」
「俺…ボンの傍に居たいです」
「えっ…」
「まだ、この世界のことよくわかってないけど…俺、ボンについていきたいですっ…」
「櫻井…」
思わず、土下座した。
「頼んます!どうか…!」
「ちょ、ちょっと…やめろや…」
「ボン!お願いします!」
ボンはしゃがんで俺の肩に手を載せた。
「わかったから…な…?」
「ボン…」
顔を上げると、ボンは微笑んでいた。
「じゃあ、お前には先生紹介してやるよ」
「え…?」