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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第17章 folder.1


まだ、頭がちょっとグルグルした。
アルコールって、こんな作用があるのか…
厄介だな。

ウトウトして目が覚めると、だいぶすっきりとしていた。
トイレに行ってリビングを覗くと、また城島さんが一人で座っていた。

「あの…」

リビングのドアを開けて声をかけてみると、城島さんは顔を上げた。
居眠りしてたな…

「お?具合、どうや?」
「あ、もうだいぶ良いです。本当にありがとうございます」
「ええって。ウチはな、病人働かせるほどぼんくらやないからな」
「はあ…」

ぼんくらかどうか、俺には比較対象とするべきものがないからよくわからなかった。

「だいぶ良いなら、ボンの相手してやってくれや。今、部屋にいると思うから」
「はい」

部屋って、昨日の絵描いてたとこかな。
大野組長の家は、平屋建てでとても広い。
ちょっと迷いながら、なんとかボンのいる部屋にたどり着いた。

「ボン、入ります」
「ああ」

やっぱり、絵を描いていた。
それは女性の絵だった。

「あの…お邪魔してすいません」

ぺこりと頭を下げると、ボンは絵筆を握ったまま頷いた。

「もう、二日酔いいいのか?」
「はい。ゆっくり寝かせて貰ったんで…」

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